
ブレーズ・パスカル
Blaise Pascal
1623年 — 1662年
数学・物理学と信仰の間を生きた天才的思索家
概要
「人間は考える葦である」――科学と信仰を統合しようとした早熟の天才。
【代表的な著書・業績】
■ 『パンセ』
断片的思索を集成した哲学的遺著
■ パスカルの定理(射影幾何学)
16歳で発見した数学的業績
■ パスカルの原理(流体力学)
圧力の伝達法則
■ 確率論の基礎(フェルマーとの書簡)
【思想・考え方】
理性の限界を認識しつつ、信仰の必要性を論じた。「パスカルの賭け」は神の存在を確率論的に考察した画期的な議論。人間を「考える葦」と表現し、宇宙の中でのはかない存在でありながら思考する尊厳を強調した。幾何学的精神と繊細の精神の二つを区別した。
【特徴的な点】
天才的な数学者・物理学者でありながら、深い宗教的回心を経験しジャンセニスムに帰依した。39歳の若さで夭折。
【現代との接点】
科学と信仰の関係、リスクと意思決定の理論、人間の有限性の哲学として今なお議論されている。
さらに深く
【生涯】
ブレーズ・パスカル(1623〜1662)は、フランスのクレルモン=フェランに生まれた。父親の手で英才教育を受け、16歳で射影幾何学のパスカルの定理を発見、19歳で機械式計算機を発明した。流体力学のパスカルの原理、確率論の基礎など、数学と物理学に多大な業績を残した。1654年に深い宗教的回心(「火の夜」の体験)を経てジャンセニスムに帰依し、以後は信仰と哲学的思索に没頭した。39歳の若さで病没した。
【思想の形成】
パスカルの思想は科学と信仰の間の緊張にある。理性の力を誰よりも知りながら、その限界をも深く認識していた。「人間は考える葦である」。宇宙の中ではかない存在でありながら、思考によって宇宙を包括しうる。「パスカルの賭け」は、神の存在を確率論的に考察した画期的な議論で、信じることの合理性を論じた。「幾何学的精神」(論証的思考)と「繊細の精神」(直観的思考)の区別も重要な洞察である。
【主要著作】
遺著『パンセ』は断片的な思索の集成であり、キリスト教弁証論として構想されていた。イエズス会を辛辣に批判した『プロヴァンシャル書簡』はフランス語散文の名作としても知られる。
【さらに学ぶために】
『パンセ』(中公文庫)は断片的に拾い読みできる。「人間は偉大であると同時にみじめである」というパスカルの人間観は、自分自身を理解するための鏡になる。
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