パ
『パスカル』
野田又夫·現代
清水書院の定番評伝シリーズによるパスカル入門
哲学入門
この著作について
京都大学でデカルト研究を率いた哲学者・野田又夫《のだまたお》による、パスカルの生涯と思想を平易に解説した入門評伝。清水書院「センチュリー・ブックス 人と思想」シリーズ。
【内容】
本書はまず、早熟の数学者・物理学者として出発したパスカルが、父エチエンヌと姉ジャクリーヌの影響下でポール・ロワイヤルのジャンセニスムに接近し、二度の「回心」を経て宗教思想家へ転じていく経過を追う。『プロヴァンシアル書簡』におけるイエズス会道徳批判、『パンセ』の断章群に結晶した賭けの論証・気晴らし論・三つの秩序・無限と虚無のあいだに立つ人間像が、時代背景と個人史のなかで位置づけられる。確率論の創始、計算機パスカリーヌの試作、真空実験から宗教的回心までの科学者としての軌跡にも相応の紙幅が割かれる。
【影響と意義】
戦後日本で長く読まれた定番入門の一冊で、森有正《もりありまさ》・三木清《みききよし》以来の日本のパスカル受容の裾野を広げる役割を担ってきた。
【なぜ今読むか】
科学と信仰、理性と心情のあいだで揺れたパスカルの思索は、AIや科学技術の時代にもまっすぐに届く。
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