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自然哲学諸考案

しぜんてつがくしょこうあん

F・W・J・シェリング·近代

シェリング自然哲学の出発点となる若き構想

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哲学存在論

この著作について

ドイツ観念論の哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・シェリング(F. W. J. Schelling、1775〜1854)が1797年に刊行した『Ideen zu einer Philosophie der Natur』の邦訳である。邦訳はシェリング著作集(燈影舎/文屋秋栄《ぶんやしゅうえい》)第1b巻に松山壽一《まつやまじゅいち》・浅沼光樹訳で収められている。シェリング22歳のときの著作で、自然哲学プログラムの本格的な出発点となった。

【内容】

本書は無機的自然と有機的自然をともに「生産する自然(natura naturans)」として一元的に理解する枠組みを提示する。光・電気・磁気・化学過程・生命を、対立する諸力の動的均衡として捉え、近代自然科学の機械論的説明(デカルトニュートン)を超える有機的自然観を打ち出す。プラトンティマイオスライプニッツ単子論、カント判断力批判との対決を通じて、観念論的自然観の枠組みが構築される。

【影響と意義】

シェリング自然哲学は同時代の生理学者キールマイヤー、化学者リッターらの実験的研究と深く呼応し、ロマン主義自然科学の理論的基盤となった。ヘーゲル精神現象学にも痕跡を残し、20世紀には新唯物論・生命哲学(ベルクソン・ホワイトヘッド)の源流として再評価された。

【なぜ今読むか】

気候危機と人新世の時代、自然を機械ではなく自己組織化する全体として捉える視座は再び切実な意味をもつ。

著者

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