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「意味への意志」

フランクル現代

フランクルが、快楽への意志や力への意志に対して、人を根本で動かすものとして掲げた考え。

幸福

この言葉について

人生に意味を見いだそうとする意志こそが人間を根本で動かしているとする、フランクルの心理療法の中心となる考えである。

【背景】

フランクルは、フロイトが重んじた快楽への意志や、アドラーが重んじた力への意志に対して、人を根本で動かすのは意味への意志だと考えた。強制収容所での体験も、この確信を裏づけるものとなった。

【解釈】

人間は意味を見失ったとき最も苦しみ、意味を見いだしたとき最も強くなれる。快楽は意味のある営みの副産物であって、それ自体を追い求めるとかえって遠のく。

【現代への示唆】

物は豊かなのに心が満たされない「実存的空虚」の時代に、幸福の鍵は意味を見いだすことにあると示している。

さらに深く

【出典】

「意味への意志」は、フランクル(オーストリアの精神医学者、1905年から1997年)が自分の立場を言い表すために使った言葉である。その説明は、『夜と霧』の英語版(Man's Search for Meaning)でロゴセラピーを解説した箇所にある。彼はそこで、フロイトの精神分析が中心に置く快楽原則、言いかえれば快楽への意志と、アドラーの心理学が優越の追求という言葉で重視する力への意志の二つに対比させて、意味への意志を語る、と書いている(原文 a will to meaning in contrast to the pleasure principle、快楽原則に対比しての意味への意志)。日本の百科事典も、フランクルはフロイトとアドラーに学んだと記す。

【よくある誤解】

ここでいう力への意志は、ニーチェではなくアドラーの心理学を指している。フランクルは、ウィーンで生まれた精神療法の三つの学派の中心にある動機を比べており、自分の療法はその三番目にあたる。また、ウィーンのフランクル研究所によれば、ロゴセラピーの土台は強制収容所の体験より前の1930年代にさかのぼり、1938年に初めて発表された。1941年には体系をまとめた本の原稿を書き始めていたが、のちにアウシュヴィッツ・ビルケナウに着いた際、その原稿を捨てさせられた。研究所は、この療法が相談者に特定の意味を与えることはしないとも説明している。

【この言葉のその後】

研究所の年譜は、フランクルが1966年に、英語で書いた最も体系的な本『意味への意志』を書いたと記す。研究所の説明では、人が意味への意志を実現できないとき、底知れない無意味さと空しさを味わうことになる。この考えは、測るための道具にもなった。1964年に心理学者たちが、フランクルのロゴセラピーの考えにもとづく質問紙「PIL(人生の目的)テスト」を作り、1966年には日本語にも訳された。日本の百科事典は、彼が収容所の記録『夜と霧』を書き、ロゴテラピーと呼ばれる独自の心理療法を唱えた人物として紹介している。研究所は今も、意味への意志を、意志の自由、人生の意味と並ぶ、療法の三つの柱の一つに掲げている。

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