フィロソフィーマップ

意味への意志

いみへのいし

ヴィクトール・フランクル·現代

ロゴセラピーの理論を体系化したフランクル中期の主著

Amazonで見る
心理哲学

この著作について

精神科医ヴィクトール・フランクルが1969年にニューヨークで公刊した、ロゴセラピー(意味中心療法)の理論的主著。夜と霧の一般向け自伝的記録とは別に、自身の臨床哲学を心理学界に向けて体系化した一冊で、フランクル本人が「主著」と位置づけた著作である。

【内容】

全12章。フロイトの「快楽への意志」、アドラー力への意志に対して、人間を根本的に動かすのは「意味への意志(the will to meaning)」であると規定し、意味喪失から生まれる「実存的空虚」を現代人の根本的な精神病として診断する。意味は向こうから発見されるものであり、創造価値・体験価値・態度価値という三つの経路で見出されると説く。耐えがたい苦しみをも、態度価値を通じて意味へと変えうるとする臨床哲学の核心が、豊富な症例とともに展開される。

【影響と意義】

人間性心理学(マズロー、ロジャーズ)と並ぶ第三勢力として、精神医学・教育・社会福祉・キャリア論に広く影響した。近年のポジティブ心理学、緩和ケア、自殺予防、バーンアウト研究にも基本文献として読み継がれる。

【なぜ今読むか】

「何のために生きているのか」という問いに、感傷でも宗教でもない実践的応答を与える稀有なテクスト。疲弊の時代にこそ手元に置きたい一冊である。

著者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る