世
『世界霊について』
せかいれいについて
F・W・J・シェリング·近代
有機的自然の根源原理を探る若き思索
哲学存在論
この著作について
ドイツ観念論の哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・シェリング(F. W. J. Schelling、1775〜1854)が1798年に刊行した『Von der Weltseele』の邦訳である。邦訳は『シェリング著作集』(燈影舎/文屋秋栄《ぶんやしゅうえい》)第1b巻に松山壽一《まつやまじゅいち》・松倉寿訳で収められている。前年の『自然哲学諸考案』(1797)に続く自然哲学第二著作で、若きシェリングがイェーナ大学非常勤教授に招聘される直接のきっかけとなった。
【内容】
本書はプラトン『ティマイオス』に由来する「世界霊(anima mundi)」概念を近代化し、無機・有機両界を貫く統一的原理として再構成する。光・熱・電気・磁気が形を変えながら循環する力の体系として自然を描き、生命現象を非生命現象の高次の発展として位置づける。同時代の動物電気論・燃焼論・植物生理学と密接に対話しながら、機械論的還元を超える有機体論を展開する。
【影響と意義】
本書はゲーテ・ノヴァーリス・F・シュレーゲルらロマン主義者を強くひきつけ、ゲーテはシェリングに直接接近する契機となった。ヘーゲル『自然哲学』、ベルクソン『創造的進化』、ホワイトヘッド『過程と実在』に至る生命哲学の系譜の出発点に位置する。
【なぜ今読むか】
生態学・複雑系科学・新唯物論が再注目する自己組織化と生命の連続性という主題を、近代哲学の言語で先取りした著作である。
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