荻
『荻生徂徠《おぎゅうそらい》』
そらいがくとはんそらい
田尻祐一郎·現代
近世日本思想史家による徂徠学とその論敵を扱った研究書
哲学歴史
この著作について
日本思想史家・田尻祐一郎(たじりゆういちろう、東海大学)による、荻生徂徠の古文辞学と、それに反発して生まれた同時代の諸思想(反徂徠学派)を並行して描いた論考。ぺりかん社。
【内容】
本書はまず、徂徠の『弁道』『弁名』『政談』が提起した朱子学批判と古学的方法を、その言語思想・政治思想の両面から解説する。続いて、太宰春台・山県周南・服部南郭といった徂徠門下の展開、中井竹山・片山兼山らの折衷学派、そして本居宣長《もとおりのりなが》・賀茂真淵《かものまぶち》ら国学の登場までを、徂徠学への応答のドラマとして描く。「道は制作される」という徂徠の洞察が、儒学の枠を越えて近世後期の国学・経世思想にどう影響したかが丁寧に論じられる。伊藤仁斎《いとうじんさい》の古義学との連続・非連続、兵学・経世家による受容の分岐にも目配りがある。
【影響と意義】
丸山眞男《まるやままさお》『日本政治思想史研究』以来の徂徠研究の系譜に連なる専門書として、近世思想史研究の定番参考書となっている。
【なぜ今読むか】
制度と言葉が交差する場所で思想がどう展開するかという古典的な問題を、一冊で見渡せる便利な案内書である。
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