野
『野生のアノマリー』
やせいのあのまりー
アントニオ・ネグリ·現代
ネグリによる政治的スピノザ読解の記念碑
哲学政治
この著作について
1981年刊。イタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリ(Antonio Negri)が獄中で書き上げた、スピノザの政治哲学に関する革新的研究書。
【内容】
本書は、スピノザを単なる形而上学者ではなく、十七世紀オランダの共和主義的激動のなかで「絶対的民主主義」を構想した政治哲学者として読み直す。ホッブズ的な主権移譲を拒み、『神学・政治論』から『エチカ』を経て未完の『政治論』に至る軌跡を、「構成する力(potentia)」と「構成された権力(potestas)」の緊張として再構成する。個々人の欲望とコナトゥス(自己保存の努力)が横に繋がることで、主権国家の外に集団的主体(マルチチュード)が立ち上がる、という読みが鮮烈に提示される。
【影響と意義】
ネグリ=ハート『〈帝国〉』『マルチチュード』『コモンウェルス』三部作の理論的基盤として、ジル・ドゥルーズ、ジョルジョ・アガンベン、ペッカー・ヴィル/レム・コールハースらにも影響を与え、二十世紀末以降のスピノザ・ルネサンスの中核をなす。
【なぜ今読むか】
国家権力と集団的主体の関係を根底から問い直したい人にとって、四〇年前の本書は今も先端的である。
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