神
『神学・政治論』
しんがくせいじろん
バルフ・スピノザ·近代
思想の自由と聖書批判学を結びつけた匿名公刊のスピノザ著作
哲学政治宗教
この著作について
バルフ・スピノザが1670年に匿名でアムステルダムから公刊した政治哲学・聖書学の大著。『エチカ』が生前公刊されなかったのに対し、本書は唯一の公刊された哲学書で、17世紀ヨーロッパで激しい論争を呼び禁書扱いとなったが、ヨーロッパ思想の方向を決定的に変えた作品である。
【内容】
20章で構成され、前半は聖書批判学の先駆的実践として、聖書を歴史的文書として読み、預言・奇跡・律法を理性と歴史の文脈で説明する。後半では国家の目的は真の意味での「自由」であり、民主政こそが人間の自然状態に最もよく合致する政体だと論じる。有名な副題「哲学する自由は敬虔と国家の平和を害さないどころか、むしろこれらを守るためには必要である」は、近代的な思想の自由の原理的擁護の嚆矢となった。
【影響と意義】
高等批評(現代聖書学の祖型)の出発点として、またリベラリズムの根本文書として、ロック、ヴォルテール、ジェファーソン、近代憲法理論に深く影響した。アインシュタインやメルヴィルまで、スピノザ崇拝の水源。
【なぜ今読むか】
宗教と民主主義の緊張が世界各地で再燃する現代、その基礎文書として再読する価値が高まる。
著者
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