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ハリネズミと狐

はりねずみときつね

アイザイア・バーリン·現代

トルストイを手がかりに知性の二類型を描いたバーリンの名エッセイ

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哲学文学

この著作について

アイザイア・バーリン(Isaiah Berlin)が1953年に刊行した短編エッセイ(原題『The Hedgehog and the Fox』)。アルカイック詩人アルキロコスの断片「狐は多くのことを知っているが、ハリネズミは一つの大きなことを知っている」から着想を得た、バーリンの代表的小品である。

【内容】

本書は二部構成をとる。前半でバーリンは知性の二つの類型を提示する。一つの大きな原理で世界を包括的に説明しようとするハリネズミ型と、多数の経験と直観を束ねて世界の多様性に寄り添う狐型である。プラトンダンテパスカルヘーゲルドストエフスキーニーチェ・プルーストはハリネズミ型、アリストテレスシェイクスピアモンテーニュゲーテ・バルザック・ジョイス・プーシキンは狐型と分類される。後半では、この類型を手がかりにトルストイ戦争と平和が詳細に読解される。自らは狐として生まれながらハリネズミであろうと生涯闘い続けたトルストイの内的分裂こそ、この長篇の歴史哲学的緊張の源泉であるとバーリンは論じる。

【影響と意義】

短い書物でありながら、思想史の方法論と文学批評を融合した名エッセイとして、多元主義、概念史、知識社会学の領域で広く参照されてきた。ジョン・グレイ、マイケル・イグナティエフ、リチャード・ローティら現代政治思想家にも直接の影響を与えた。

【なぜ今読むか】

単一原理で世界を裁断する言説と、雑多な事実を尊重する姿勢が日々衝突する時代に、自分と他人がどちらの型なのかを測る補助線として使える。

著者

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