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現代その他

ホルヘ・ルイス・ボルヘス

1899年1986年

無限と迷宮の文学を創造したアルゼンチンの知の巨人

幻想文学メタフィクション無限
ボルヘス

概要

図書館を宇宙に、迷宮を哲学に変えた20世紀文学の魔術師。

【代表的な著書・業績】

■ 『伝奇集』

「バベルの図書館」「八岐の園」など知的短編の傑作集

■ 『エル・アレフ』

無限と永遠を主題にした短編集

■ 『砂の本』

晩年の代表的短編集

■ 世界文学に対する広範な評論活動

【思想・考え方】

時間・無限・同一性・鏡・迷宮といった形而上学的テーマを、精緻な短編小説の形で探究した。現実と虚構の境界を曖昧にし、テキストがテキストを生むメタフィクションの手法を確立。全ての書物は一つの書物であるという普遍的図書館の夢想を描いた。

【特徴的な点】

中年期に視力を失いながらアルゼンチン国立図書館長を務めた。ノーベル文学賞を受賞しなかった最大の作家とされる。

【現代との接点】

ハイパーテキスト・仮想現実・ポストモダン文学の先駆者として、デジタル時代にこそ輝きを増す作家。

さらに深く

【生涯と作品】

ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899〜1986)は、アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれた。幼少期から英語とスペイン語の両方で読書に親しみ、膨大な世界文学の知識を吸収した。中年期に視力を失い始めたが、皮肉にもその頃アルゼンチン国立図書館長に任命された。短編小説、詩、評論を主な表現手段とし、長編小説は一作も書かなかった。ノーベル文学賞を受賞しなかった最大の作家とも言われる。

【作品に込められた思想】

ボルヘスの文学は、時間・無限・同一性・迷宮・鏡といった形而上学的テーマを精緻な短編小説の形で探究した。「バベルの図書館」ではあらゆる可能な書物を収めた無限の図書館を構想し、「八岐の園」では分岐する時間の迷宮を描いた。現実と虚構の境界を意図的に曖昧にし、架空の百科事典や存在しない書物の書評を書くなど、メタフィクションの手法を確立した。

【影響】

ポストモダン文学の先駆者として、エーコ、カルヴィーノ、ピンチョンらに決定的な影響を与えた。ハイパーテキストや仮想現実の先駆的構想としても注目される。デジタル時代にこそ輝きを増す作家である。

【さらに学ぶために】

『伝奇集』(岩波文庫)はボルヘスの最高傑作集で、一編一編が短い。「無限とは何か」「現実とは何か」という問いに知的興奮を感じる人にとって最高の読書体験となる。

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