バ
『バベルの図書館』
ばべるのとしょかん
ホルヘ・ルイス・ボルヘス·現代
無限の書物の宇宙を描いたボルヘス代表短編
文学
この著作について
ホルヘ・ルイス・ボルヘスが1941年に発表した短編。『伝奇集』に収められ、無限の書物を収蔵する六角形の書棚の回廊から成る宇宙的図書館を描いた、後の情報理論・デジタル文化に深い刻印を残した作品である。
【内容】
語り手は「図書館」と呼ばれるこの宇宙の書記で、そこにはあらゆる言語のあらゆる文字列の組み合わせからなる書物が、ただ一冊ずつ、しかし無限に収蔵されている。住人たちは自分の人生を解明する「完璧な書」を探し続け、一部は狂信者となり、一部は終末論へ逃げ込み、一部は書物の破壊へと走る。有限の文字の組み合わせが、生成する全ての意味と全ての無意味を同時に含むという、組合せ論的宇宙像が提示される。語り手の老いと諦観が物語の基調となる。
【影響と意義】
情報科学における全文探索・ランダムテクスト生成論の思想的源流となり、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』、スタニスワフ・レム、生成AIをめぐる現代の議論まで、広範な影響を及ぼしている。
【なぜ今読むか】
大規模言語モデルが無限のテクストを生成する時代、その原型を描いた短編として第一級の必読。
著者
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