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神を哲学した中世:ヨーロッパ精神の源流

かみをてつがくしたちゅうせい

八木雄二·現代

中世哲学の全体像を描く入門書

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哲学入門

この著作について

ドゥンス・スコトゥス研究者としても知られる哲学者・八木雄二《やぎゆうじ》が、中世ヨーロッパの哲学・神学の展開を「ヨーロッパ精神の源流」として一般読者に描き直した通史。

【内容】

本書はアウグスティヌス告白神の国を出発点に、ボエティウスによる古代哲学の媒介、アンセルムスの神の存在証明、十二世紀ルネサンスを背景とする普遍論争、トマス・アクィナス神学大全による信仰と理性の総合、ドゥンス・スコトゥスの個体性(ハエクシタス)論、オッカム唯名論までを辿る。「神について考える」という営為が、なぜ論理学・認識論・存在論・法哲学の精密な発展を駆動したかを、テクスト引用を交えつつ平明に説明する。大学、修道院、説教という中世特有の制度も視野に入れられる。

【影響と意義】

日本では中世哲学は馴染みが薄く、近代哲学の前史として軽視されがちだが、本書はスコラ哲学が概念の精緻化という面で近代哲学に勝るとも劣らない達成を持つことを示す。デカルトライプニッツの思考装置がスコラ哲学に負っていることも、読後に実感できる構成となっている。

【なぜ今読むか】

「暗黒の中世」という通俗のイメージを内側から鮮やかに覆してくれる書物である。信仰と理性のせめぎ合いが生んだ知的遺産を知ることは、現代の科学と宗教、AIと倫理の関係を考える際の豊かな背景になる。

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