フィロソフィーマップ

探偵!哲学カワウソ

事件の謎を追ううちに、哲学の思考法に出会う。

カワウソ探偵がフィロソフィー街の事件を解決していく連載小説です。容疑者は哲学者たち。話を聞き、矛盾を見抜き、犯人を論破するうちに、哲学の主要な思考法が自然に身についていきます。

エピソード

1

消えた名言

ある朝、フィロソフィー街でニーチェの名言「神は死んだ」が住民の口から消えていた。地面にへたり込んだ当のニーチェが、カワウソ探偵に「言葉を取り戻してくれ」と依頼する。

2

自由の刑

フィロソフィー街で、哲学者たちが選択肢を前にすると体ごと固まる奇病に倒れる。樽を抱えたディオゲネスがカワウソ探偵の事務所を蹴破り、「自由を返してくれ」と迫る。

3

真理の迷宮

一つの行為に矛盾する真理が同時に成立する奇病が、アカデミーを襲う。何を信じてよいか分からず動けなくなった若者たちを案じ、街の長老がカワウソ探偵に解決を頼む。

4

嘘なき罪

街の料理人が「語りえぬものを求めて」と短い手紙を残して失踪した。妻と幼い娘を残された家族の困窮を見たカントが、嘘なき罪を解いてくれとカワウソ探偵に頭を下げる。

5

神々の黄昏

四つの事件のメモを並べ直したカワウソ探偵は、奇妙な違和感に行き当たる。仲間も武器も揃ったいま、街の山頂で詩を書きつづけている男に会いに行く時が来た。

6

人は善か悪か

フィロソフィー街の東側で、住民同士が「人は本来善か悪か」で対立し殴り合いに発展する。法治を説く韓非子から相談を受けたカワウソ探偵が、儒家と墨家の五人をめぐる。

7

動かぬ時計

フィロソフィー街で時計が止まり、物が予期せず動き、見ているはずのものが見えなくなる異変が広がる。観測の異常を察知したガリレオから依頼を受けたカワウソ探偵が、近代哲学者を訪ね歩く。

8

溶ける個

フィロソフィー街に「和」の名で同調圧力が広がる。住民が皆同じことを言い、個性が薄まる事態に、聖徳太子から相談を受けたカワウソ探偵が、日本思想の五人をめぐる。

9

届かぬ自由

フィロソフィー街で「革命の檄文」が広まり、暴力扇動と平和的抵抗で住民が分断する。皆を真に自由にしたい、というルソーから依頼を受けたカワウソ探偵が、政治倫理の五人をめぐる。

10

観念の墓場

フィロソフィー街でこれまでの事件の症状が同時多発再発する。印刷工房を訪ねたカワウソ探偵が見たのは、不在のマルクスと、過去すべての事件の裏に隠されていた版下の山だった。