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光の領国:和辻哲郎《わつじてつろう》

ひかりのりょうこく:わつじてつろう

苅部直《かるべただし》·現代

苅部直による和辻哲郎評伝

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哲学入門

この著作について

日本政治思想史家・苅部直(かるべただし、東京大学)による、和辻哲郎《わつじてつろう》の生涯と思想を政治文化史の視点から描いた評伝。創文社/岩波現代文庫。

【内容】

本書はまず、姫路近郊の医家に生まれた和辻が、漱石門下の文学青年から出発して、ニーチェキルケゴール論、奈良紀行古寺巡礼、倫理学大系倫理学、気候と社会を結ぶ風土へと思索を展開していく過程を追う。戦前期の皇国史観との微妙な距離、戦後の象徴天皇制擁護、平和主義との折衷的立場、同時代の西田幾多郎《にしだきたろう》・田辺元三木清《みききよし》・丸山眞男《まるやままさお》との関係も丁寧に扱われる。著者は和辻の倫理学を「間柄」の哲学として位置づけ直し、津田左右吉との論争や戦時中の言論を冷静に再検討する。

【影響と意義】

和辻を単なる文化論者でも体制追随者でもなく、明治末から戦後までの日本の「精神史」を映す鏡として描き直した、現代和辻研究の標準的評伝。

【なぜ今読むか】

風土と倫理をめぐる和辻の思索は、グローバル化のなかで自分の場所を考えたい読者にとって、今も生きた道具になる。

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