ソ
『ソフィーの世界』
そふぃーのせかい
ヨースタイン・ゴルデル·現代
14歳の少女ソフィーが哲学者と出会い続ける世界的ベストセラーの哲学小説
哲学入門
この著作について
ノルウェーの作家ヨースタイン・ゴルデル(Jostein Gaarder、元高校教員)による、世界的ベストセラーの哲学小説。原題 Sofies verden(1991年刊)。世界60か国以上で翻訳され、累計5000万部を超える哲学書として、二十世紀後半の哲学入門の代名詞となった。
【内容】
物語は、哲学教師アルベルトから差出人不明の手紙で「あなたは誰?」「世界はどこから来たの?」という問いを受け取る、14歳の少女ソフィーから始まる。手紙は次第に哲学史の講義の体裁を取り、ソクラテス以前の自然哲学者からプラトン・アリストテレス、中世神学、デカルト・スピノザ・ロック・カント、ヘーゲル、キルケゴール、マルクス、ダーウィン、フロイト、サルトルへと、西洋哲学のほぼ全史が物語の進行とともに辿られる。途中、ソフィーは自分が「物語の中の登場人物」かもしれないという入れ子構造に気づき、フィクションと現実の境界を問う形而上学的な仕掛けが浮かび上がる。
【影響と意義】
児童文学の体裁をとりながら、哲学史の主要な論点を丁寧に押さえた稀有な入門書として、教育現場でも広く採用された。ノルウェーでは中学高校の副読本に選ばれ、日本でも池田香代子訳(NHK出版)が長くロングセラーとなっている。哲学が一部の専門家のものではなく、子どもからお年寄りまでの「人間の問い」であることを示した文化的影響は計り知れない。
【なぜ今読むか】
体系的な解説書を読む前に、まず物語として哲学の登場人物に出会いたい人に最適である。読書のあと、本書で印象に残った哲学者の章を解説書や原典で深掘りすると、知識が地に着く。