フィロソフィーマップ

哲学と自然の鏡

てつがくとしぜんのかがみ

リチャード・ローティ·現代

ローティがネオプラグマティズムの立場から分析哲学の「鏡としての精神」モデルを批判した主著

Amazonで見る
哲学

この著作について

分析哲学の中核で活躍してきたリチャード・ローティが、自らの出自である分析哲学そのものを根底から問い直し、ネオプラグマティズムへの転回を告げた衝撃の主著。

【内容】

本書は「精神は自然を正確に映す鏡である」という近代哲学の前提を標的とする。ローティはロックカントフッサールラッセルクワイン、セラーズらの理論を縦横に読みながら、「心的表象が外界を正しく映す」という発想が、いかに哲学を認識論中心の営みに仕立て上げてきたかを跡づける。そのうえで、セラーズの「与えられたものの神話」批判、クワインの翻訳の不確定性、デイヴィドソンの真理論を手がかりに、真理を対応ではなく「社会的会話のなかで継続的に獲得される合意」として捉え直すべきだと提案する。末尾では、哲学を特権的学から「教化的会話」としての人文知の一つに位置づけ直す構想が示される。

【影響と意義】

一九七九年の刊行以後、分析哲学・大陸哲学・解釈学・ポストモダン思想を縦横に結び付ける重要文献となった。ローティの後の偶然性・アイロニー・連帯と合わせて、現代哲学におけるプラグマティズム再評価の扉を大きく開いた。

【なぜ今読むか】

「真理」「客観性」「中立」という語が政治的対立のなかで激しく争われる時代、これらの語が依拠してきた「鏡としての精神」の神話を点検することは、自分の語彙を批判的に磨くための準備となる。

関連する思想

Amazonで見る