自
『自由論(バーリン)』
じゆうろん(ばーりん)
イザイア・バーリン·現代
消極的自由と積極的自由の区別を論じたバーリンの政治哲学の名著
哲学
この著作について
リガ生まれのユダヤ系亡命知識人にしてオックスフォードの政治思想家イザイア・バーリンが、自由について書いた四篇の論考をまとめた二十世紀自由主義の要石的著作。
【内容】
中核をなすのはオックスフォード教授就任講演をもとにした「二つの自由概念」で、消極的自由(他者から干渉されない領域)と積極的自由(自分自身の主人として生きること)の区別が立てられる。バーリンは、積極的自由の概念が「真の自己」への同一化を強要する論理に変質し、ルソーやフィヒテ、ヘーゲル、そして全体主義へと連なる歴史的危険を指摘する。他の三論文では、歴史における決定論批判、二十世紀の政治思想、ミルと自由主義の関係が論じられ、全体として価値多元主義の立場が明確に打ち出される。
【影響と意義】
本書は冷戦期のリベラル民主主義の哲学的自己理解を支え、ロールズ、テイラー、ラズらによる自由概念の再検討の出発点となった。価値多元主義は、ロナルド・ドウォーキン、ジョン・グレイ、現代の多文化主義論争にまで連なる大きな系譜を生み出している。
【なぜ今読むか】
自由の名のもとに監視や干渉が正当化される場面が多い時代、「どの自由を守り、どの自由を警戒すべきか」を言葉にする枠組みが必要になる。二つの自由の区別は、自分の政治的感覚を吟味するための、なお鋭い切り口である。
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