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他人と比べてしまう

他者との比較で自分の価値を測ってしまう

自己比較SNS

この悩みについて

同級生の年収、友人の結婚報告、SNSのキラキラした投稿。気づけば他人の「うまくいっている部分」と自分の現実を比較して、落ち込んでいませんか。「比べても意味がない」とわかっているのに、やめられない。

自分のペースで生きればいいと頭では理解していても、社会が常に序列をつけてくる。その中で「自分は自分」と思い続けるのは、本当に難しいことです。

【哲学はこの悩みをどう見るか】

キルケゴールは『死に至る病』で、自分が他者と同じでないことへの絶望を分析しました。しかし同時に、自分自身になることを引き受けることが真の自己の在り方であると説いています。

ニーチェは『道徳の系譜学』で「ルサンチマン」の概念を提示しました。強者への嫉妬が道徳を歪めてきた歴史を分析し、自分自身の価値基準で生きることの重要性を訴えています。

アドラーは劣等感を「比較」から生まれるものと捉えつつも、それ自体は悪ではなく、健全な劣等感は成長の動機になりうると『人生の意味の心理学』で論じました。

【ヒント】

他人と比べること自体を完全にやめるのは難しいかもしれません。でも「誰と比べているか」を意識するだけで、その影響力は弱まることがあります。比べる対象を「過去の自分」に変えてみるのも一つの方法です。

さらに深く

【実践に使えるアプローチ】

■ 「上方比較」から「縦の比較」に意識的に切り替える

ルソーは、他者との比較による自己評価(amour propre)こそが人間の苦しみの根源だと論じました。SNSで目にするのは他者の「良い部分」だけです。その切り抜きと自分の日常全体を比べるのは、そもそも公平ではありません。比べる相手を「昨日の自分」に変えてみてください。先週より少し前に進んだか、一つ試せたか。縦の比較は、積み上げることの喜びを少しずつ教えてくれます。

■ 嫉妬の対象を「自分の欲求のヒント」として読む

ニーチェは「ルサンチマン(怨恨)」の概念で、嫉妬が価値観を歪めていく危険を分析しました。ただ嫉妬には一つ使い道があります。「あの人が羨ましい」と感じるとき、その対象は自分が本当に求めているものを指し示していることがあります。羨ましいと思った相手の「何が」羨ましいのかを掘り下げてみてください。その答えが、自分が次に向かいたい方向のヒントになることがあります。

【さらに学ぶために】

アラン・ド・ボトン『不安』は地位不安の哲学的・歴史的な分析として非常に読みやすい一冊です。ルソー『人間不平等起源論』は比較による苦しみの起源を論じた古典的名著です。

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