不
『不安』
ふあん
アラン・ド・ボトン·現代
アラン・ド・ボトンが地位をめぐる不安の歴史・哲学的原因を分析した一冊
哲学
この著作について
スイス出身の哲学エッセイスト、アラン・ド・ボトンが2004年に公刊した、「地位不安」の構造を哲学・歴史・文化の観点から論じた一冊。
【内容】
二部構成。前半「原因」では、現代人が他者と自分を比べ続け、社会的地位に一喜一憂する理由を、愛情への渇望、スノビズム、民主化による平等への期待と挫折、能力主義のプレッシャー、そして失業やランキングへの依存など多角的に分析する。後半「解決策」では、哲学・芸術・政治・宗教・ボヘミア精神という五つの「解毒剤」が提示される。ストア哲学の思想、モンテーニュの自己観察、宗教的な謙虚さ、ジャーナリズムへの批判、反体制的な生き方の系譜が、具体例とともに紹介される。
【影響と意義】
哲学を大衆向けにわかりやすく伝えるド・ボトンの代表作の一つ。彼が主宰する「人生の学校」の基本書として読まれ、SNS時代に比較の苦しみを経験する多くの人の支えになっている。
【なぜ今読むか】
「われわれは他者の目に映る自分の像に依存しすぎる」というテーゼは、SNSで他者と比べてしまう心理の根源を丁寧に解きほぐしてくれる。比較疲れに気づいたら最初に手に取りたい一冊。