時
『時間と自由』
じかんとじゆう
アンリ・ベルクソン·近代
純粋持続の概念で時間と意識を根本から捉え直したベルクソン博士論文
哲学
この著作について
アンリ・ベルクソンが1889年に提出した博士論文(原題『意識に直接与えられたものについての試論』)。ベルクソン哲学の出発点となる著作で、空間化された時間と意識の「純粋持続」の区別を提示し、20世紀の時間哲学に決定的転換をもたらした記念碑的テクストである。
【内容】
科学が扱う時間はしばしば「空間化された時間」であり、瞬間を並べた数直線として扱われる。しかし意識の内側で経験される時間は、過去が現在に相互浸透しながら連続的に流れる「純粋持続(デュレ)」であり、空間的区切りに還元できない質的多様性だとされる。自由意志の問題も、決定論・非決定論の二者択一としてではなく、純粋持続のなかでの人格の全体的な自己表現として再定義される。
【影響と意義】
プルースト、ドゥルーズ、メルロ=ポンティをはじめ現代哲学全体に響き続け、『物質と記憶』『創造的進化』へと続くベルクソン思想の方法論的基盤となった。日本でも西田幾多郎《にしだきたろう》への影響が大きい。
【なぜ今読むか】
デジタル時間に浸された現代生活のなかで、内的時間の質を取り戻すための哲学的参照点。
著者
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