フィロソフィーマップ

スピノザ 読む人の肖像

すぴのざ よむひとのしょうぞう

国分功一郎·現代

国分功一郎がスピノザ哲学を現代的な問いとして読み直す入門書

Amazonで見る
哲学

この著作について

哲学者・國分功一郎《こくぶんこういちろう》が長年の読解経験を注ぎ込んでまとめた、スピノザ哲学の本格入門にして評伝的論考。

【内容】

本書はスピノザがアムステルダムのユダヤ教共同体から破門されるに至る青年期の事情から始まる。エチカに結実する思想の輪郭が、神学・政治論『知性改善論』『デカルトの哲学原理』への読解と往復しつつ解き明かされる。スピノザの実体・属性・様態の構造、自然とは「神即自然」であること、喜びと悲しみによる感情の幾何学、自由意志の否定、能動と受動の区別、個体の存続と自己保存の衝動(コナトゥス)、理性と知性的愛、民主制の優位などが章ごとに丁寧に取り上げられる。「読む人」としてのスピノザが何を読み、どのように考えを更新したかを跡づける語り口が一貫する。

【影響と意義】

ドゥルーズ、ネグリ、アカンプラ以降の世界的なスピノザ再評価の流れを背景に、日本語圏におけるもっとも信頼できるスピノザ哲学の入門兼専門書となった。著者の暇と退屈の倫理学『中動態の世界』と並ぶ、國分哲学の中核に位置する書である。

【なぜ今読むか】

善悪二元論や自己責任論では扱いきれない感情と行動の問題を考えるのに、スピノザの能動・受動の枠組みは強力な補助線になる。難解な古典を現代日本語で手ごたえとともに味わうための、頼れる伴走者である。

関連する思想

Amazonで見る