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自我の源泉

じがのげんせん

チャールズ・テイラー·現代

近代的自我の歴史的形成を辿り直したテイラーの大著

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政治哲学

この著作について

カナダの政治哲学者チャールズ・テイラー(1931〜)が1989年に刊行した『Sources of the Self: The Making of the Modern Identity』の邦訳。近代倫理学・政治哲学の重要文献である。

【内容】

テイラーは近代的「自我」が単一の出発点を持たず、複数の歴史的源泉から段階的に構成されてきたと論じる。プラトン的な秩序、アウグスティヌス的な内面性、デカルトの方法的懐疑、ロックの自己統治、宗教改革の召命観、ロマン主義の自己表現、近代の道徳的源泉としての自然と崇高など、複数の道徳的源泉が「自我」を作り上げてきた過程を、約700頁にわたって描き直す。リベラリズム的な「中立的自我」の前提を批判し、自我は常に「強い評価」の枠組みのなかで構成されるという立場を打ち出す。

【影響と意義】

本書はテイラーのマルチカルチュラリズム世俗の時代とともに、コミュニタリアニズム・承認論・宗教社会学・近代性論議の標準的参照点となった。アクセル・ホネット、マイケル・サンデル、ルーク・ブレットシュナイダーらに直接影響を与え、現代政治哲学の主要な系譜の一つを形成している。

【なぜ今読むか】

「個人の自由」を当然の前提とする現代社会に、その自由がいかに長い歴史の上に成り立っているかを思い出させてくれる必読書である。

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