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世俗の時代

せぞくのじだい

チャールズ・テイラー·現代

現代の世俗主義を歴史的・現象学的に解明したテイラー晩年の主著

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宗教哲学

この著作について

チャールズ・テイラーが2007年に公刊した、20世紀宗教哲学の到達点を示す大著(原題『A Secular Age』)。約900ページに及ぶ本書は、近代における宗教の位置づけを根本から問い直す浩瀚な歴史哲学である。

【内容】

テイラーは「世俗化」を単なる宗教の衰退としてではなく、信仰のあり方そのものの変容として描く。1500年頃のヨーロッパでは神の存在は前提だったが、現代では信仰は数ある選択肢の一つになった。この変化を、宗教改革科学革命・啓蒙・ロマン主義などの諸局面を辿りつつ、なぜ・どのように起きたかを精密に追跡する。テイラー独自の概念「内在的フレーム」「緩衝化された自我」「充実への問い」が随所で展開され、現代人の精神状況が宗教的・実存的次元から照らし出される。

【影響と意義】

テンプルトン賞受賞作で、宗教哲学・歴史社会学・文化批評に決定的影響を与えた。ハーバーマスの「ポスト世俗社会」論、マルセル・ゴーシェの脱魔術化論などと並ぶ、世俗化研究の三大古典の一つ。

【なぜ今読むか】

宗教対立が再燃する21世紀に、宗教と世俗の関係を歴史的厚みのなかで考え直す出発点となる。信仰を持つ人にも持たない人にも、「なぜ私たちはこう信じる/信じないのか」を考えさせる。

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