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種の論理

しゅのろんり

田辺元·現代

個と類のあいだに「種」を立てた田辺哲学の中心概念

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哲学

この著作について

田辺元《たなべはじめ》が1934年から40年代にかけて断続的に発表した論文群の総称。一冊の書物ではなく、「社会存在の論理」「種の論理と世界図式」「種の論理の意味を明らかにす」など複数の論考から構成される、田辺哲学の中心概念である。

【内容】

アリストテレス以来の「個(個物)」と「類(普遍)」の二極に対して、両者を媒介する「種」の契機を立てる。種とは、民族・社会・国家・文化のような、個が帰属しつつ完全には解消されない集合的現実であり、個の自由と類の普遍性を具体的に結びつける場である。西田幾多郎《にしだきたろう》の「場所の論理」が静的・観想的であるのに対して、田辺は歴史的・実践的な弁証法として「種」を導入し、社会存在を個の決断と集団の制約の緊張関係において捉える。

【影響と意義】

京都学派第二世代(高坂正顕、西谷啓治、高山岩男ら)の議論の共通土台となり、戦後は田辺自身の懺悔道としての哲学と結びついて再評価された。丸山眞男《まるやままさお》、廣松渉《ひろまつわたる》、柄谷行人《からたにこうじん》らによる近代日本思想批判の主要な参照点の一つでもある。

【なぜ今読むか】

個人主義ナショナリズムのあいだで社会を考える語彙として、「種」の観点はなお示唆的。日本哲学史の最難関の一つを、現代的な関心から読み直す価値がある。

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