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九鬼周造《くきしゅうぞう》:理知と情熱のはざまに立つ

くきしゅうぞう:りちとじょうねつのはざまにたつ

藤田正勝《ふじたまさかつ》·現代

京都学派研究者による九鬼周造評伝

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哲学入門

この著作について

京都学派研究を率いる藤田正勝(ふじたまさかつ、京都大学)による、九鬼周造《くきしゅうぞう》の生涯と思想を描いた評伝。講談社選書メチエ/岩波新書。

【内容】

本書はまず、文部官僚九鬼隆一の四男として生まれ、母の不幸な生涯を背景に育った周造が、東京帝国大学を経てヨーロッパに八年間滞在し、リッケルト・フッサールハイデガーベルクソンらと直接交わった異例の遍歴を押さえる。帰国後に刊行された「いき」の構造における江戸文化の美学偶然性の問題における西欧哲学の根本問題への挑戦、京都帝国大学での教壇生活、晩年の詩作までが丁寧に描かれる。ハイデガーとの「言葉についての対話」の背後にある緊張関係、メルロ=ポンティとの偶然性理解の差、サルトルの偶然性論への先駆けという位置づけも視野に入る。

【影響と意義】

日本哲学の独自性を西欧の哲学的道具立てで精密に論じた九鬼の位置を、現代思想研究の視野で捉え直した評伝。

【なぜ今読むか】

「偶然性」と「粋《いき》」という二つの主題は、生きる意味と美意識を再び問う現代に、静かに響き続けている。

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