イ
『イデーン』
エトムント・フッサール·近代
現象学的還元を体系化したフッサール中期の主著
哲学
この著作について
エトムント・フッサールが1913年に公刊した現象学哲学の主著。正式名『純粋現象学および現象学的哲学のためのイデーン』第一巻。『論理学研究』(1900-01)に続く中期の記念碑的著作で、現象学の方法論を完成形に近い水準で体系化した作品である。
【内容】
自然的態度に対する「現象学的還元(エポケー)」の方法が中心概念として打ち出される。日常世界の実在性判断を括弧に入れ、純粋意識の領域を方法的に浮き彫りにすることで、意識の本質構造(ノエシス=ノエマ相関)を厳密に記述しうるとされる。超越論的主観性、志向性、地平構造、質料的内容と形相的契機の区別、カント的範疇論の現象学的変革など、20世紀大陸哲学の基本語彙の大半が本書に起源を持つ。
【影響と意義】
ハイデガー、メルロ=ポンティ、サルトル、リクール、レヴィナスら20世紀大陸哲学の全流派が本書への応答として生まれた。第二巻・第三巻は遺稿として後に公刊され、現象学運動の持続的水源となっている。
【なぜ今読むか】
「意識とは何か」を方法的に問い直すための古典として、AI時代にこそ意義が大きい。
著者
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