ハ
『ハーバーマス:コミュニケーション行為』
はーばーます:こみゅにけーしょんこうい
中岡成文·現代
講談社「現代思想の冒険者たち」のハーバーマス巻
哲学入門
この著作について
ドイツ現代哲学を専門とする中岡成文《なかおかなりふみ》による、ハーバーマスの思想全体を見渡す評伝的解説書。講談社「現代思想の冒険者たち」シリーズの一冊。
【内容】
本書はまず、ユルゲン・ハーバーマスがフランクフルト学派第一世代(ホルクハイマー、アドルノ)とナチズム体験をどう継承したかを示し、初期の『公共性の構造転換』における市民的公共圏の誕生と衰退という診断を整理する。続いて、『コミュニケイション的行為の理論』(1981)の中核概念「生活世界」「システム」「妥当要求」「理想的発話状況」を解きほぐし、討議倫理学、正義と連帯、後期の『事実性と妥当性』における法と民主主義の関係までを一望する。アドルノ・ガダマー・ルーマンとの論争、ドイツ歴史家論争への介入、ヨーロッパ公共圏をめぐる晩年の発言まで、時事的文脈にも目配りがある。
【影響と意義】
日本語でハーバーマスに入るときの定番の一冊で、現代政治哲学・社会学・倫理学の授業でも繰り返し参照される。
【なぜ今読むか】
民主主義の対話基盤が揺らぐ現代、公論・熟議の哲学的根拠を再確認する手引きとして有効である。