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公共性の構造転換

こうきょうせいのこうぞうてんかん

ユルゲン・ハーバーマス·現代

近代市民的公共圏の誕生と衰退を論じたハーバーマス教授資格論文

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社会思想政治

この著作について

ユルゲン・ハーバーマスが1962年に提出した教授資格論文。17〜18世紀のヨーロッパに誕生した「市民的公共圏」の形成と、20世紀後半にかけてのその変容・衰退を辿った、戦後民主主義理論の古典的著作である。

【内容】

絶対主義国家の内部で、都市のコーヒーハウス、サロン、ジャーナリズムを舞台に、私的個人が対等な立場で理性的討論を行う空間として市民的公共圏が成立した過程を描く。それは権力にも市場にも還元できない、コミュニケーション的合理性の場だった。しかし20世紀の大衆消費社会と福祉国家の拡大は、公共圏をマスメディアによる操作と広報の場へと変質させ、市民の批判的討論の力を衰退させる。この診断は、後のコミュニケイション的行為の理論の基礎となる。

【影響と意義】

フランクフルト学派第二世代の出発点となり、戦後ドイツ・英米の民主主義理論・メディア研究に決定的な影響を与えた。熟議民主主義、インターネット公共圏論、気候変動討議など現代の主題は全て本書への応答として読める。

【なぜ今読むか】

SNSが公共圏を再構築しつつ破壊する現代、その歴史的原型を理解するための必読の古典。

著者

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