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クラテュロス

プラトン·古代

言葉と事物の関係を問うた西洋最初の言語哲学の対話篇

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哲学言語

この著作について

プラトン中期の対話篇(原題『Κρατύλος』)。言葉と事物の関係をめぐる西洋最初の本格的言語哲学書として、古代から現代言語学・記号論に至るまで参照されてきた古典である。

【内容】

登場人物はソクラテス自然主義者クラテュロス、規約主義者ヘルモゲネスの三名。ヘルモゲネスは「名前は人間の取り決めにすぎない」と主張し、クラテュロスは「名前は事物の本性を正しく映し出す」と反論する。ソクラテスは前半でクラテュロスに味方する姿勢を装いつつ、ギリシア語の固有名詞や神名の語源を半ば茶化しつつ半ば真面目に分析する。後半では一転して自然主義を厳密に吟味し、言葉が事物を映す鏡であるならばもはや事物そのものを見ればよく、言葉そのものの研究は不要ではないかという根本的な反転を示す。結論は開かれたまま、言葉と事物の関係が何か第三の水準で問い直されるべきことが示唆される。

【影響と意義】

中世から近代に至る意味論、アウグスティヌス『キリスト教の教え』ソシュール一般言語学講義の恣意性テーゼ、ウィトゲンシュタイン哲学探究の言語ゲーム論、さらには現代の意味論・語源学研究まで、西洋の言葉の哲学はほぼ例外なく『クラテュロス』を参照点として出発している。

【なぜ今読むか】

名前の付け方・ブランドの命名・プログラミング言語の設計が日常化する現在、名と事物の関係をもっとも早く哲学的に問うた対話として、実践的にも示唆が豊かである。

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