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過去と未来の間

かことみらいのあいだ

ハンナ・アーレント·現代

アーレントによる政治思想への8つの試論

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哲学政治哲学

この著作について

ドイツ生まれの政治哲学者ハンナ・アーレント(Hannah Arendt、1906〜1975)が1961年に刊行し1968年に増補した『Between Past and Future: Eight Exercises in Political Thought』の邦訳である。引田隆也・齋藤純一訳でみすず書房から1994年に刊行された。

【内容】

本書は副題のとおり政治思想への8つの試論からなる。「伝統と近代」「歴史の概念」「権威とは何か」「自由とは何か」「教育の危機」「文化の危機」「真理と政治」「宇宙への征服と人間の身の丈」が並び、古代ギリシア・ローマからヘーゲルマルクスまで西洋思想史を縦横に往還しつつ、現代世界の政治的経験を解釈する道具を提供する。表題は詩人カフカの寓話に由来し、過去から押し寄せる力と未来から押し寄せる力のはざまに人間の思考が立つ位置を象徴する。

【影響と意義】

本書はアーレント人間の条件(1958)と並ぶ主要著作として、現代政治哲学における判断論・道徳心理学・公共哲学に広範な影響を残した。ジェローム・コーン編の遺稿集責任と判断、リチャード・バーンステインの判断論、セイラ・ベンハビブの政治哲学に直接的な影響を与えた。なお、アーレントの最終講義はカント判断力批判を規範的政治判断の理論的基盤として読む計画であったことが残されたメモから読み取れる。

【なぜ今読むか】

伝統が崩れ未来も見えない現在こそ、思考が立つべき位置を問う本書の主題は切実である。

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