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責任と判断

せきにんとはんだん

ハンナ・アーレント·現代

「悪の凡庸さ」以降の倫理を深めた遺稿論集

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哲学政治

この著作について

ハンナ・アーレントが1950〜70年代に発表した倫理・政治哲学論文を、没後の2003年に編纂して公刊した論集。人間の条件エルサレムのアイヒマンのあいだに位置する思索を、より直接に倫理の次元で深めた諸論を収める。

【内容】

表題論文「責任と判断」のほか、「道徳哲学の諸問題」「独裁下の人格的責任」「アイヒマン論争」「思考と道徳的考察」など7篇を収録。共通の問いは、全体主義や独裁のもとで人はなぜ極悪を遂行するに至るのかである。アーレントは悪を思考の放棄から生まれる「凡庸なもの」と捉え、思考すること、判断することそのものを道徳の最後のよりどころに据える。カントの反省的判断力を手がかりに、政治的共同体における倫理を立て直そうとする。

【影響と意義】

「悪の凡庸さ」テーゼをめぐる論争の一次資料として欠かせない。冷戦末期以降の応用倫理・政治的責任論に広く影響を与え、共犯・沈黙・服従をめぐる現代の議論の出発点となった。

【なぜ今読むか】

組織のなかで「命令だから」と判断を停止したときに何が起きるか。現代の企業不祥事や戦争犯罪を読み解く思考の型として、今もなお鋭い。

著者

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