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近代西洋

デイヴィッド・リカード

1772年1823年

比較優位説を確立した古典派経済学の巨匠

古典派経済学比較優位自由貿易
リカード

概要

比較優位の理論で自由貿易の利益を証明し、経済学を精密な理論科学へと押し上げた古典派経済学の代表者。

【代表的な著書・業績】

■ 『経済学および課税の原理』

地代論・価値論・分配論を体系的に展開した主著。

■ 比較優位説

たとえ全ての財の生産で劣っていても、相対的に得意な財に特化して貿易すれば双方が利益を得られることを理論的に証明した。

■ 労働価値説の精緻化

スミスの価値論を発展させ、商品の価値はそこに投じられた労働量によって決まるとする労働価値説を体系化した。

【思想・考え方】

経済現象を抽象的モデルで分析する方法を確立し、アダム・スミスの叙述的な経済学をより理論的で厳密なものに発展させた。自由貿易を強く支持し、穀物法廃止を訴えた。

【特徴的な点】

ユダヤ系の株式仲買人から身を起こし莫大な財産を築いた後、学問に転じた。実務家としての経験が理論に現実感を与えた。

【現代との接点】

比較優位説は国際貿易論の基礎として今なお教科書の必須項目。グローバル経済における自由貿易の意義を論じる際に不可欠の理論的枠組み。

さらに深く

【時代背景と生涯】

デイヴィッド・リカードは1772年、ロンドンのユダヤ人株式仲買人の家に生まれた。14歳から父のもとで証券取引を学び、20代で独立して莫大な財産を築いた。アダム・スミスの『国富論』を読んで経済学に目覚め、ジェイムズ・ミル(J.S.ミルの父)の勧めで本格的な著述に取り組んだ。1817年に主著『経済学および課税の原理』を出版。下院議員としても活動し、穀物法の廃止を訴えて自由貿易を推進した。1823年、51歳で急死した。

【思想的意義】

リカードの最大の貢献は比較優位説の確立である。ポルトガルがワインも毛織物もイングランドより効率的に生産できるとしても、両国がそれぞれ相対的に得意な財に特化して貿易すれば双方が利益を得られることを理論的に証明した。この理論は直観に反するが、論理的には明快であり、国際貿易論の基礎として今日も教科書の必須項目である。

【影響】

リカードの労働価値説はマルクスに継承され、『資本論』の理論的基盤の一つとなった。比較優位説は自由貿易を支持する最も強力な理論的根拠として、WTOやFTA交渉の場でも繰り返し参照されている。ただし現実の貿易政策にはリカードの理論では説明できない要素も多く、保護貿易との間の論争は今も続いている。

【さらに学ぶために】

スミスの『国富論』を読んだ上でリカードに進むのが自然な順序である。根井雅弘『経済学の歴史』は古典派経済学の全体像を把握するのに有用な入門書である。

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