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玉勝間

たまかつま

本居宣長《もとおりのりなが》·近代

宣長が晩年まで書き継いだ国学の随筆集

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文学日本

この著作について

江戸中期の国学者・本居宣長《もとおりのりなが》が1795年から没する1801年まで書き継いだ、全15巻1000条を超える随筆集。古事記伝の完成(1798)と並行して書き進められ、和歌・古典注釈・言語・歴史・考証など、宣長の関心の全域にわたる覚書を集める。

【内容】

短い章条の積み重ねで進み、特定の主題を体系的に論じるのではなく、古典読解の過程で浮かんだ発見、先行諸説への批判、門人との問答、日常の所感などが自在に並ぶ。源氏物語の「もののあはれ」論、古今和歌集《こきんわかしゅう》の読み方、漢意《からごころ》と大和心の対比、古代日本語の音韻、地名と歴史の関係など、のちに「宣長国学」として知られる諸論点の素材が散りばめられている。

【影響と意義】

近世最大の知的ノート類のひとつであり、国学の思考の現場をそのまま覗ける一次資料として価値が高い。平田篤胤、加藤千蔭ら後続世代にとっての準教典となり、近代に入ってからも丸山眞男《まるやままさお》、津田左右吉らが繰り返し参照した。

【なぜ今読むか】

体系立った論文ではなく、研究ノートがそのまま読物として成立している稀有な形式。断章から思考の運動そのものを追体験できる、古典随筆の最高峰の一つである。

著者

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