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『スピノザと表現の問題』
すぴのざとひょうげんのもんだい
ジル・ドゥルーズ·現代
ドゥルーズの博士副論文・スピノザ存在論の革新
哲学存在論
この著作について
フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze、1925〜1995)が1968年にミニュイ社から刊行した『Spinoza et le problème de l'expression』の邦訳である。『差異と反復』とともに国家博士論文として提出された副論文で、邦訳は工藤喜作・小柴康子・小谷晴勇訳で1991年に法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉から刊行された。
【内容】
本書は「表現(expression)」概念をスピノザ哲学の中軸として読み直す。実体・属性・様態の三位一体を「表現する/表現される/表現されたもの」の構造として捉え、属性は実体の本質を表現し、様態は属性のもとで実体を表現するという階層的循環を描き出す。続いて並行論と内在性、有限様態と本質、第三種の認識といった主題が、トマス主義やネオプラトン主義の表現概念史と対照させながら解明される。
【影響と意義】
本書は静的・幾何学的に読まれがちだったスピノザに動的なダイナミズムを取り戻し、現代スピノザ・ルネサンスを牽引した。アントニオ・ネグリ『野生のアノマリー』、ピエール・マシュレ、エチエンヌ・バリバールら次世代スピノザ研究の出発点でもある。フーコーが『差異と反復』『意味の論理学』とあわせて「20世紀はドゥルーズの世紀となるだろう」と評した一群の著作の一つ。
【なぜ今読むか】
情動・身体・能動性の哲学が注目されるいま、スピノザの表現論は新唯物論・情動論の理論的源泉として読み返す価値がある。
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