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セメイオチケ

ジュリア・クリステヴァ·現代

記号論を超えた「記号分析」の理論的綱領

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批評現代思想

この著作について

ブルガリア出身でフランスで活動した思想家ジュリア・クリステヴァ(1941〜)が1969年に公刊した最初の主要著作(原題『Σημειωτική: Recherches pour une sémanalyse』)。「記号論への研究」を意味し、フランス記号論・ポスト構造主義の方向を決定づけた論文集である。

【内容】

クリステヴァはソシュール以来の構造主義的記号論を批判的に乗り越え、独自の「記号分析(sémanalyse)」を提唱する。記号論が記号体系の構造を静的に分析するのに対し、記号分析は記号の生成過程・身体的基盤・無意識的次元に降りていく。彼女が導入する重要概念に「テクスト間性(intertextualité/インターテクスチュアリティ)」がある。これは、いかなるテクストも他のテクストの引用・吸収・変形であり、独立した自律的な意味単位ではないという考えである。バフチンの対話原理、ラカン精神分析マルクス主義唯物論を統合する野心的試み。

【影響と意義】

「インターテクスチュアリティ」概念は文学批評・カルチュラル・スタディーズの中心概念となった。本書を起点にクリステヴァは『恐怖の権力』『詩的言語の革命』へと展開し、フェミニズム、精神分析、文化批評の重要理論家へと成長する。

【なぜ今読むか】

コピー・引用・リミックスがあふれるネット時代の文化を考える理論的足場として読み直す価値がある。

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