反
『反復』
はんぷく
セーレン・キルケゴール·近代
ギリシア的想起に対する「前方への反復」を提示したキルケゴール中期作
哲学宗教
この著作について
セーレン・キルケゴールが1843年、コンスタンティン・コンスタンティウスの仮名で公刊した小説形式の哲学書。『おそれとおののき』と同年に刊行され、仮名著作群の重要作である。
【内容】
中心概念は「反復(Gjentagelsen)」。プラトンの「想起」が過去に向かうのに対し、キルケゴールの反復は未来に向かう運動であり、かつて失われた可能性を新たな形で取り戻す実存的行為として位置づけられる。物語の主人公である若い詩人が、かつて婚約した女性との愛を回復しようとして失敗する挿話と、語り手コンスタンティウス自身がベルリンへの旅を「反復」しようとして失敗する挿話が並べられ、最終的に反復は宗教的領域においてのみ真に可能だと示唆される。
【影響と意義】
20世紀のハイデガー『存在と時間』の「反復」概念、ドゥルーズ『差異と反復』、近年のカプト解釈神学に決定的影響を与えた。キルケゴール実存哲学の中核概念の一つ。
【なぜ今読むか】
一度失われた可能性をどう引き受けるかという、人生の根本的問いに最も鋭く答える古典。
著者
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