日
『日本思想大系4 最澄《さいちょう》』
にほんしそうたいけい4 さいちょう
安藤俊雄・薗田香融 校注·古代
最澄の主要著作を集成した校訂テキスト
哲学文化・宗教
この著作について
岩波書店『日本思想大系』全67巻のうち第4巻として1974年に刊行された、最澄(さいちょう、767〜822)の主要著作を集成する校訂テキストである。安藤俊雄・薗田香融が校注を担当した。
【内容】
本巻は最澄の生涯にわたる主要文献を網羅する。19歳で比叡山に籠って書いた『願文』、入唐還学後の天台教義の根本を述べた『山家学生式』、奈良南都仏教との大乗戒壇論争を闘った『顕戒論』、徳一との三一権実論争に応じた『守護国界章』『法華秀句』、さらに各地の寺院に宛てた書簡類を収める。原文に詳細な校注と現代語訳ではなく訓読体解説を付し、研究水準の高さを保ちながら通読も可能な構成をとる。「愚中の極愚、狂中の極狂、塵禿の有情、底下の最澄」と自身を徹底的に低く位置づけて始まる『願文』は、本シリーズで最も読まれる箇所である。
【影響と意義】
戦後日本仏教学の到達点として、最澄研究の標準テキストとなってきた。『日本思想大系』全体は丸山眞男《まるやままさお》・家永三郎・石母田正らが編集顧問を務めた戦後人文学の金字塔であり、本巻も天台学・古代仏教史・国文学の研究者必読の書として機能してきた。岩波オンデマンドブックスとして現在も入手可能である。
【なぜ今読むか】
最澄の原文に直接触れる最良の手引きとして、日本仏教の出発点を知るうえで欠かせない。
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