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顕戒論

けんかいろん

最澄《さいちょう》·古代

比叡山大乗戒壇設立を論証した最澄の主著

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哲学日本思想仏教

この著作について

【内容】最澄が弘仁11年(820)に著した論書三巻である。比叡山に大乗戒壇を独自に設立するため、奈良南都仏教側から寄せられた小乗戒批判への応答として書かれた。経論を縦横に引用しつつ、大乗菩薩戒の正当性を多面的に論証する。岩波『日本思想大系4 最澄』所収の校訂テキストで読むのが標準である。

【影響と意義】最澄の最重要著作の一つとされる。本書の主張に基づいて、最澄没後の822年に比叡山延暦寺における大乗戒壇設立が朝廷に認可され、日本仏教は南都の小乗戒一辺倒から大乗戒中心へと方向を転換した。日本仏教史の構造を決定づけた論書として、その意義は計り知れない。

【なぜ今読むか】戒律という一見地味な主題が、いかに宗派と国家のあり方を左右する根本問題であるかが鮮やかに見えてくる。緻密な経典解釈の手続きを通じて、思想が制度を動かしていく具体例を学べる。日本仏教の独自性の起源を、原典に近い形で確認したい読者に欠かせない一冊である。

著者

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