三
『三木清《みききよし》 個性者の構想力』
みききよし:こせいしゃのこうそう
内田弘·現代
三木清の思想史的位置を総合的に論じた評伝
哲学入門
この著作について
経済思想史家・内田弘(うちだひろし、専修大学)による、三木清《みききよし》の生涯と思想を総合的に論じた評伝。御茶の水書房。
【内容】
本書はまず、兵庫県龍野の農家に生まれ、京都帝国大学で西田幾多郎《にしだきたろう》に師事した三木が、ドイツ留学でハイデガー・リッケルトらに触れ、帰国後にマルクス主義との対話を深めていく道のりを追う。『パスカルにおける人間の研究』『歴史哲学』『構想力の論理』『人生論ノート』といった主要著作を系統的に取り上げ、昭和研究会での実務、治安維持法違反で獄中死に至るまでの軌跡が、同時代の思想状況とあわせて描かれる。神話・制度・技術・経験といった「構想力」の諸契機を、経済学の蓄積と切り結ばせて読む姿勢が本書の大きな特色である。終章では、戦後日本思想における三木の位置が、西田幾多郎・戸坂潤・田辺元・羽仁五郎との関係のなかに置き直される。
【影響と意義】
戦時下の日本哲学の最も生産的な知性として、戦後の丸山眞男《まるやままさお》・家永三郎・広松渉らに引き継がれた三木の位置を、総合的に捉え直した一冊。
【なぜ今読むか】
実存的不安と社会的実践を橋渡ししようとした三木の知的姿勢は、現代の知識人論にも貴重な参照点となる。
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