構
『構想力の論理』
こうそうりょくのろんり
三木清《みききよし》·現代
カント的構想力を技術と社会形成に拡張した三木清の遺著
哲学日本
この著作について
昭和期の哲学者・三木清が1937年から40年にかけて雑誌「思想」に連載し、戦後の1946年に遺著として単行本化された未完の大著。京都学派と西田幾多郎《にしだきたろう》の影響を受けつつ、カント『判断力批判』の「構想力(Einbildungskraft)」を歴史と技術の領域に拡張した独創的著作である。
【内容】
第一章「神話」、第二章「制度」、第三章「技術」、第四章「経験」の四部構成で、人間が世界を形成する根源的力としての構想力を論じる。神話は原初的構想力の産物であり、制度は集合的構想力の沈殿、技術は構想力の物質化、経験は構想力と現実の接触面だとされる。西欧近代哲学の論理の枠を超え、東洋的な「行為的直観」との統合を目指す試みが全編を貫く。
【影響と意義】
第二次大戦中の治安維持法違反で獄中死した三木の思想的達成として、戦後日本哲学の再出発点となった。京都学派第二世代の西谷啓治・下村寅太郎らに引き継がれ、現代では中村雄二郎・大橋良介らの技術哲学・文化哲学の源流となっている。
【なぜ今読むか】
AIと技術が現実を形成する現代、「構想力とは何か」を根本から問う格好のテクスト。
著者
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