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言葉と無意識

ことばと むいしき

丸山圭三郎·現代

言語の本質を無意識の観点から探究した丸山圭三郎の代表作

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哲学

この著作について

日本におけるソシュール言語学の第一人者・丸山圭三郎《まるやまけいざぶろう》が、言語と無意識の結びつきを追究したシリーズの中心をなす著作。

【内容】

本書はソシュールの「シーニュ」理論を丁寧に再提示することから始まる。シニフィアン(音のかたち)とシニフィエ(意味のかたち)の双方は、現実を切り分けた結果として成立する差異の体系であって、対応するはずの物が先に存在するわけではない。著者はここから、ラカンの「無意識は言語のように構造化されている」という命題、バタイユの「連続性への飛躍」、ニーチェの身体論へと視野を広げ、言語が世界の輪郭と欲望の形を同時に規定することを論じていく。異文化間の翻訳不可能性、身体感覚と語彙の関係、詩や夢における意味の揺らぎなど、具体的な例が豊富に織り込まれている。

【影響と意義】

日本に本格的なソシュール受容をもたらし、柄谷行人《からたにこうじん》や蓮實重彥《はすみしげひこ》の批評、言語哲学・記号論の研究、精神分析との対話に深い影響を残した。著者のソシュールの思想『文化のフェティシズム』と合わせて、戦後日本の言語思想の基盤を形づくっている。

【なぜ今読むか】

母語と外国語のずれ、生成AIが作る奇妙な言い回し、自分の気持ちに「ちょうどよい語」が見つからない経験。私たちが日常で出会う言葉の不思議さを、理論的に解きほぐすための静かで強い伴走者になる一冊である。

この著作で扱う問い

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