柄
『柄谷行人《からたにこうじん》論』
からたにこうじんろん
小林敏明·現代
〈他者〉概念の変遷から柄谷思想を読み解く評論
哲学現代日本思想
この著作について
ライプツィヒ大学名誉教授・小林敏明による柄谷行人論である。副題は「〈他者〉のゆくえ」。筑摩選書111として2015年に刊行された。
【内容】
柄谷の批評・哲学・交換様式論を「〈他者〉概念の変遷」という一貫した軸から読み解く。初期の文学批評から『マルクスその可能性の中心』『探究Ⅰ・Ⅱ』『トランスクリティーク』『世界史の構造』『力と交換様式』に至る思考の運動を、超越論的他者・売買の他者・贈与の他者と段階を踏みながら追跡する。哲学者・文学者・社会理論家としての柄谷の多面性を、一つの貫通する問いから整理し直した労作である。
【影響と意義】
膨大な柄谷の著作を一つの視角から見通すための、日本語の代表的な批評として読まれている。柄谷研究と現代思想史の交点に立つ評価書として参照される。
【なぜ今読むか】
コミュニズム論・交換様式論・他者論をめぐる現在進行形の議論を、柄谷の出発点から追体験するための優れた手引きとなる。