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世界史の構造

せかいしのこうぞう

柄谷行人《からたにこうじん》·現代

柄谷行人が「交換様式」から世界史を捉え直した体系的著作

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哲学社会思想

この著作について

批評家・柄谷行人《からたにこうじん》が、マルクスの「生産様式」に代えて「交換様式」を歴史分析の中心概念に据えて、世界史全体を読み直した歴史哲学の野心的著作。

【内容】

本書の核は、四つの交換様式の区別にある。氏族社会の贈与と返礼に基づく「交換様式A(互酬)」、古代国家以降の略取と再分配の関係である「交換様式B」、資本主義における商品の自由な交換を意味する「交換様式C」、そしてAを高次で回復する「交換様式D」である。Dは歴史の外から現れるのではなく、預言的宗教、普遍宗教、協同組合、社会運動、国際連合などのかたちで断続的に姿を現してきた。こうした枠組みで、氏族・部族社会、世界帝国、近代世界システム、そして未来の可能性までが体系的に描かれる。

【影響と意義】

国際的にも広く翻訳され、本書の理論枠組みは歴史哲学、政治思想、環境倫理の議論に強い刺激を与えている。二〇二二年に著者に授与されたバーグルエン哲学・文化賞は、本書を含む一連の仕事を背景にしている。

【なぜ今読むか】

資本主義の持続不可能性を超えてどう次の社会を構想するかという問いは、気候変動・格差・ポスト成長社会の議論と直結している。生産ではなく交換の次元から考える視座は、新鮮な見通しを提供してくれる。

著者

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