功
『功利主義入門』
こうりしゅぎにゅうもん
児玉聡·現代
現代倫理学の専門家による功利主義の定番入門
哲学入門
この著作について
倫理学・応用倫理学を専門とする児玉聡(こだまさとし、京都大学)による、ベンサム・ミルから現代までの功利主義の全体像を解説した入門書。ちくま新書。
【内容】
本書はまず、ジェレミー・ベンサムの「最大多数の最大幸福」、ジョン・スチュアート・ミルの質的功利主義を歴史的文脈のなかで整理する。続いて、行為功利主義と規則功利主義、選好功利主義、平均功利主義といった分化、シジウィック・ヘア・シンガーら現代の展開、そしてデリック・パーフィット・アマルティア・センによる批判と改訂が順に紹介される。具体例として、徳倫理学・義務論との比較、動物倫理、援助義務、功利主義的刑罰論、生命倫理における応用などが扱われる。「要求水準は高すぎないか」「好みの多数決に陥らないか」といった典型的批判への応答も丁寧に整理される。
【影響と意義】
日本語で読める功利主義入門の標準として、大学の倫理学授業の副読本に広く使われ、応用倫理学の実践的入口としても機能している。
【なぜ今読むか】
医療・気候変動・AIなど具体的政策判断のなかで功利主義的計算の是非が問われる現代、冷静な道具立ての入口として価値が高い。
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