美
『美学講義』
びがくこうぎ
G.W.F.ヘーゲル·近代
芸術を精神の自己展開と位置づけたヘーゲル芸術哲学の集大成
哲学芸術
この著作について
ヘーゲルが1820年代にベルリン大学で行った美学講義の記録を、弟子ホトーが編纂し1835〜38年に三巻本として刊行した『Vorlesungen über die Ästhetik』の邦訳。十九世紀芸術哲学の最高峰の一つとされる大著である。
【内容】
芸術を「絶対精神が感性的形象において自己を直観する一つの様式」と定義し、宗教・哲学と並ぶ精神の三段階の最初の形態として位置づける。第一部では美の理念と理想、芸術における自然との関係、芸術家の創造性を論じる。第二部は象徴的(古代オリエント)・古典的(ギリシア)・ロマン的(キリスト教ヨーロッパ)の三つの芸術形式を歴史哲学として展開する。第三部は建築・彫刻・絵画・音楽・詩の各個別芸術を体系的に論じる。「芸術終焉論」と呼ばれるロマン的芸術の限界に関する有名なテーゼも本書に出てくる。
【影響と意義】
ニーチェ、アドルノ、ベンヤミン、ダントー、ガダマーら二十世紀の芸術哲学者は皆、本書との対話によって自らの立場を構築した。マルクス主義美学、現象学的美学、英米分析美学のいずれの系譜にも、本書からの参照は欠かせない出発点となっている。
【なぜ今読むか】
芸術を歴史と精神のなかに位置づける最も野心的な試みを、原典の重みで体験するための古典である。
著者
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