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中庸

ちゅうよう

作者不詳·古代

誠と中庸の道を説いた四書の一で朱子学の根本テクスト

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哲学アジア

この著作について

元来は礼記第31篇の一章だが、南宋の朱熹が大学論語孟子と共に「四書」として独立させた、儒教倫理形而上学の基本文献。伝承では孔子の孫・子思の作とされる。

【内容】

「天の命ずるこれを性と謂う、性に率うこれを道と謂う、道を修むるこれを教と謂う」の冒頭三句から始まり、喜怒哀楽の未発を「中」、発して節に中るを「和」と定義する。中は偏らず倚らないバランスであり、庸は常なる道である。「誠」概念が中心に据えられ、誠こそが天道であり、誠を実現しようとする努力が人道だとされる。君子は独りを慎み、内なる誠を外なる行為に具現化することで、最終的に天地の化育を助ける存在へと高まるとする壮大な人間観が提示される。

【影響と意義】

朱子学が東アジア知識人の基本教養となる過程で、『中庸』は形而上学的深みを与える鍵文献として繰り返し注釈された。日本の伊藤仁斎《いとうじんさい》は『中庸発揮』を著し、西田幾多郎《にしだきたろう》の「絶対矛盾的自己同一」にも中庸的発想の遠い影がある。

【なぜ今読むか】

バランス・節度・誠実さといった徳目の古典的定式化として、東アジア倫理の基礎教養。

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