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礼記

らいき

作者不詳·古代

五経の一で古代中国の礼と倫理を網羅する儒家経典

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哲学アジア

この著作について

漢代までに編纂された古代中国の礼制に関する叢書。儒教「五経」(易経・書経・詩経・礼記・春秋)の一つで、紀元前1世紀の戴聖が編纂した「小戴礼記」49篇が現行版として伝承される、儒教倫理思想の基礎文献である。

【内容】

篇目は多岐にわたり、冠婚葬祭の儀礼、学校と教育、楽(音楽)の理論、君臣・父子・夫婦の倫理、政治哲学、哀公問のような対話体の思想篇などを含む。後世に四書として独立する大学中庸はもともと本書に収められていた。礼は外的規範ではなく、内面の敬と仁を形として表現するものだとする視点が全編の基調。

【影響と意義】

東アジア儒学圏における礼儀作法・法制度・教育の基礎を提供し、中国・朝鮮・日本・ベトナムの伝統的社会規範の骨格を形成した。宋代には朱熹が『大学』『中庸』を独立させて四書に組み込むことで、東アジア近世思想の新たな展開が始まった。近代以降も、家族倫理・企業文化・公的マナーの源泉として間接的に作用し続けている。

【なぜ今読むか】

形式と内面の関係を最も古典的に論じた東アジア思想の基盤として、日常生活の作法論や組織文化を考える際に補助線となる。グローバル化でプロトコルの設計が問われる時代に、古代の礼の設計思想はむしろ新しい実用性を帯びる。

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