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実証精神論

じっしょうせいしんろん

オーギュスト・コント·近代

実証主義の綱領を短く示したコントの普及編

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哲学

この著作について

オーギュスト・コントが1844年に公刊した短い著作。全6巻の大著実証哲学講義の普及版として書かれ、実証主義(positivisme)の中心思想を一般読者に提示することを目的とした、コント中期の代表的論考である。

【内容】

二部構成。第1部では、有名な「三段階の法則」を提示する。人類の知的精神は、神学的段階(超自然的存在で現象を説明する)、形而上学的段階(抽象的な諸力で説明する)、実証的段階(観察可能な諸現象のあいだの法則を記述する)の三段階を経て進歩する、という歴史哲学である。第2部では、実証的精神が社会の再組織化に果たすべき役割を論じ、科学を頂点とする知の階層の再編、利他主義の育成、科学者と銀行家の指導的役割などを提案する。

【影響と意義】

19世紀後半の社会学・政治学に決定的な影響を与え、デュルケーム、J・S・ミル、H・スペンサー福澤諭吉らを通じて非西洋世界にも広がった。近代社会科学の「観察→法則→予測→応用」という基本図式の原型を提供している。

【なぜ今読むか】

データと科学が社会の判断基準として膨張する時代に、実証主義の原点を踏まえて功罪を量り直す必要がある。短く読める古典として位置づけやすい。

著者

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