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『パラメデスの弁明』
ぱらめですのべんめい
ゴルギアス·古代
ゴルギアスが英雄パラメデスを架空に弁護した演示弁論
哲学修辞学
この著作について
紀元前5世紀後半のソフィスト・ゴルギアスが残した完存テクストの一つである。トロイア戦争の挿話で、オデュッセウスの讒言により反逆罪を捏造されて処刑された英雄パラメデスの自己弁護を、ゴルギアスが架空に再構成した演示弁論である。『ヘレネー頌』とともに、ゴルギアスの修辞術が直に読める数少ない作品である。
【内容】
弁論はパラメデスがギリシア軍の前で自らを弁護する一人称形式で展開される。論証は二段階に分かれる。第一段では、自分にはペルシアと内通する手段がなかったことを、可能性の論理(プラグマトロギア)にもとづき体系的に否定する。第二段では、たとえ手段があったとしても動機がなかったことを、自分の人格・経歴・社会的地位から論証する。法廷弁論術の典型的形式を模範的に提示しながら、修辞学の論証技法を学習用に整理した実例集としても機能する。
【影響と意義】
古代ギリシア修辞学において、法廷弁論の模範例として繰り返し参照された。アリストテレス『弁論術』の体系化にも素材を提供したと考えられる。日本語訳は内山勝利編『ソクラテス以前哲学者断片集』第Ⅲ分冊に所収されている。
【なぜ今読むか】
言葉による自己弁護の論理学として、現代の法廷弁論やディベート術の原点をなす古典である。
著者
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